episode02

就職

3つの夢に敗れた私は専門学校へ進学。
電子工学を専攻し、叔父が働いていた電気の仕事に就くべく、2年間「まじめ」に通学。

学費を稼ぐため、「スーパーの商品管理」「カラオケボックス」「米屋」のバイトを掛け持ち。
あっという間の2年間が過ぎ、就職活動。

叔父に頼み込み、「コネ」で、Panasonicの子会社に内定。
内定が決まったあと、大きな違和感が襲う。

翌日、就職課へ相談に行き、企業名簿を流し読み。
そこで、ある会社が目に止まる。

それが、大阪ガス株式会社。
電気事業へ参入するため、即戦力の技術者が必要とのコメント。

体に電気が走る。

電気屋で電気の仕事をするのと。
ガス屋で電気の仕事をするのと。

どっちが重宝される???

即、エントリーし、試験へ。

就職課の先生はもちろん、誰しもが無謀と言われた中、なんとか内定を勝ち取る。

もちろん、叔父の顔を大きく潰すことになったが、20歳の私は、そんなことを気にすることもなく、意気揚々と入社。

ところが…。
配属はガスの保安点検部署。

電気の仕事どころか
毎日30件を超えるお客さま宅へ、ガス漏れ点検に向かう。

新手の就職詐欺?

数年で希望の職場へ移れると思っていたものの、
なんと7年間も漏れ検査し続けることとなる。

電気の世界の7年は致命的。
もう、技術職に戻れることはないと悟る。

ガス漏れ検査員時代

営業部への移動

そんなある日、上司から呼ばれ面談。

転勤先の希望を聞かれ、
保安業務の本社部門と希望を出し、営業だけは嫌と正式にお話しする。

そして、発令当日、期待をしながら出社。
希望が絶望に変わるまで、そんなに時間を必要ではなかった。

営業部へ移動。
最もしたくなかった仕事をすることになる。

異動1年目。
悩み、苦しみ、頭髪の白化現象が始まる。

そんな中、諸先輩から多くのことを学びつつ、まぐれで地区No.1実績を出す。

有頂天になったもの束の間。
売れば売るほど、クレームが増えて行く。

なぜ?どうして?
売れる喜びより、売れた後の対応に疲れ、実績とは裏腹にどんどん営業が嫌いになっていく。